異業種からの介護業界へ転職者に20万の支給という政策が決まったが、ハッキリ言って「愚策」である。
一時的に介護業界に転職する人材は出るだろうが、数年後定着している保証は無い。介護は誰でも続けられる仕事ではないのである。
そんなポーズの様な政策よりも、介護報酬を高めて収益性の高い魅力的な業界にする事が先決である。
魅力が高い業界であれば人は集まるだろう。
事業者の収益性を高めても現場職員の給与に反映しない。と、よく言われるが、今時そんな事業所には人は集まらない。収支構造がこれだけはっきりしている業界なので、そもそも誤魔化しようが無い。
介護業界を業界にするために報酬を上げれば、財政が圧迫されるというが、高齢者が増える事は、昭和の時代からわかりきった事で増える事で、いまさら騒ぐことでは無い。
高齢者が増え介護財政が膨らみ続け、現在は10兆円がどうのと言うが、介護事業の人件費率が6割近いのだから、単純に考えてそのうち5~6兆円は人件費であるし、その人権は経済活動にまわり、経済を動かかす原動力になる。
更にそ人件費のうちの数千億円は税金に変わり、加えて介護事業所から入る税金もあるので、単に10兆円がすべてが掛け捨てでは無い。
介護事業によって働き手の介護の制限が少なくなれば、働き手の経済活動はさらに広がる。可能性はどこまでも広がるのである。
「介護離職」が起こるのは、魅力的な介護事業への「投資」が少なすぎる事が原因に他ならない。結局、介護業界への安かろう悪かろうのツケが回り、「介護離職」の遠因につながっている。
20万円支給の様な一時しのぎの政策しか生み出せない現政権や、新たに生まれるかもしれない政権に全く期待はしていないが、一時金ではなく、介護業界で長く続けられる人材が生まれる制度設計を望む。