2022年7月23日土曜日

LifeStyle Re Design

「ライフスタイル・リ・デザイン」とは、

介護が必要になる時は、
これまでとは違う生活様式がスタートするという事でもあり、
生活(LifeStyle)を見直す(Re Design)するわけだが、
ここで必要となる介護に対して、
ネガティブではなく、ポジティブに捉え事が大切で、
今出来ない事を「介護」するだけででなく、
どうすれば出来るかを考え、工夫や行動を繰り返し、
ライフスタイルを良い方へ向かわせようという発想である。

要は、
「出来ないことを介護する」だけでなく、
「出来るようになる為には」と考え続ける事、
が大切である。

また、職員側に向けてもも、
介護という仕事をネガティブ捉えるのでは無く、
対象者と新しい生活を一緒にデザインしながらサポートしてゆくというポジティブでクリエティブな考え方に切り替えて仕事をしようという提唱である。

「ライフスタイル・リ・デザイン」は、
介護の「仕事」について、
どう考え、向き合うのか?
という一般的な仕事論という側面もある。

2019年9月6日金曜日

デイサービスの送迎コストの未管理は、経営破綻につながる

デイサービスの送迎コストについてしっかりと考えた事があるだろうか?

デイサービスの送迎コストについて無頓着な経営者は意外と多いようである。

私の試算だと、
送迎に関する全てのコスト、
これには人件費、車両購入費用、車両維持費、燃料代など全てを含んだコストであるが、
ミニバンクラスの送迎で、
1日あたりの利用者様自宅間の往復で約1,000円のコストがかかっている。

これは、車両の大きさによっても異なるが、
一番コスト高い送迎モデルは、
軽自動車が一日1便で運行するモデルである。

最も送迎コストが安いのは、
ハイエースなど大型バンを運転手1人で一日1便運航するモデルである。
その差はなんと1人あたり¥300円近くのコスト差となる。

もちろん送迎時間60分の間に2便で計合計6人の送迎を行うような、
軽自動車の送迎モデルであれば、コストは下がるものの、
それでもハイエースで一発送迎に比べるとコスパは劣る。

では、
介護度に応じた送迎コストの割合について考えてみたい。

例えば、要支援1のケース
基本単価を1,647単位、つまり16,470円とすると、
週1回の利用で1回利用の売り上げは¥4,111円。
送迎費用が1,000円であれば、送迎コストなんと売り上げの25%に相当する。

さらに週2回利用であれば、1回あたりの売り上げは2,058円
送迎費用が1,000円であれば、送迎コストなんと売り上げの50%に相当する。

つまり、要支援1の方が週2回ご利用されると、
ほとんど、送迎コストに費やされる異常事態なのである!!
こんな状態で経営が成り立つはずはない!!

次に要介護1(大規模Ⅱ)のケース
7-8時間のご利用で基本報酬が595単位、つまり1回あたりの売り上げが¥5,950円。
送迎費用が1,000円であれば、送迎コストは売り上げの16%に相当する。


次に要介護3(大規模Ⅱ)のケース
7-8時間のご利用で基本報酬が702単位、つまり1回あたりの売り上げが¥7,020円。
送迎費用が1,000円であれば、送迎コストは売り上げの14%に相当する。

最後要介護5(大規模Ⅱ)のケース
7-8時間のご利用で基本報酬が890単位、つまり1回あたりの売り上げが¥8,900円。
送迎費用が1,000円であれば、送迎コストは売り上げの11%に相当する。


介護度が重くなるにつれて、
基本単価が下がる分,
一見送迎コストが下がるるように見えるが、
これは大きな誤解である。

上記の計算は、
歩行が可能な利用者を前提としている。
しかし、要介護3~5レベルの認定になると、
車椅子送迎の対象となるのである。

すると、
車椅子対応送迎車での送迎コスト計算が必要となるため、
補正を加えた送迎コストの算出が必要で、
この場合、送迎コスト一気に急増する。
試算では、1,250円に増加する!
車椅子対応は25%のコスト増!!


車椅子対送迎コストで計算しなおすと・・・。

要介護3(大規模Ⅱ)のケース
7-8時間のご利用で基本報酬が702単位、つまり1回あたりの売り上げが¥7,020円。
送迎費用が1,250円であれば、送迎コストはり上げの17%に相当する。

次に要介護5(大規模Ⅱ)のケース
7-8時間のご利用で基本報酬が890単位、つまり1回あたりの売り上げが¥8,900円。
送迎費用が1,250円であれば、送迎コストは売り上げの14%に相当する。

つまり、車椅子対応の場合、送迎コストは上昇するのである!!!!

しかも、デイサービスの送迎を担当している職員は、
多くは介護職が中心で、介護のプロであっても、
運転のプロではないため、
送迎が与える職員へのストレスは計り知れない!!

デイサービスの送迎業務は、
送迎コストと職員の心理的ストレスの2つの側面を考慮しなければいけないのである。
送迎事故は、施設内で起こる事故よりもリスクが増大する。
さらに、事業者、利用者だけでなく、他の第3者も関係するため、
施設内の事故よりも複雑化し、社会的影響も大きい。

こうした事を考慮すると、
デイサービスの送迎業務に関する国の評価がいかに低いかよく分かる。





短時間型のサービスの経営が難しいのは、
こうした送迎コストを無視した集客や経営の影響も少なくない。


デイサービスの経営は、
送迎業務をしっかりと考えなければ、
あっという間に経営破綻してしまう。































2019年7月29日月曜日

FC加入した小規模デイが売り案件で多く出ている現状

デイサービスのフランチャイズ、結構な数で増え続けていたが、
ここ数年は勢いが無いようだ。

企業売買やM&Aのサイトでは、
フランチャイズ介護施設の売り物件の数が結構出ている。
その多くは機能訓練型の小規模なデイサービスだ。
そしてこうした案件は、赤字の物件も多いようだ。

一時期、
小規模なデイサービスは初期投資が抑えられ、
参入障壁が低いためフランチャイズが猛烈な勢いで増えた。

しかし、残念なことに報酬構造の変化とともに、
小規模デイのビジネスモデルは崩れ去り、
多くの介護フランチャイズ本部は
開設の関するノウハウが先行し、
開設後の運営ノウハウに対しては、
その運営ノウハウの蓄積や深度が浅いために、
開設後の運営が黒字化が困難となり、
赤字が続く事業者が増え、
行き詰まり最終的に売りに出されている状況だ。

原因の多くは、
事業計画の甘さが多いようである。
半年後や1年以内に黒字化は、
よほど好条件が重ならない限り実現は難しい。

更に介護保険はルールや報酬構造がコロコロ変わる為、
長期的な安定したビジネスモデルの構築が難しいという視点に欠けている事である。


介護ビジネスは、
コンビニの様にフランチャイズの名称によって事業所が選ばれる事は少ない。
それぞれの事業所の地道な信頼と実績を積み重ねが必要である。

かがやきのれん会も
他の介護ビジネスのフランチャイズと勘違いされ、
加入を希望される方がいる。

しかし、こうした方々に対しては、
ニーズはあっても、
保険点数に左右される儲からないビジネスであることを説明する。

すると、話を聞いた方は、
儲かりそうなビジネスモデルを提示するほか他のフランチャイズ企業に向かうか、
介護事業の参入を辞める
のどちらかを選択されるようだ。

儲からない苦労話をして、
自ら加入者を断っているような私のスタンスでは、
ビジネスとしては失格であろう。

しかし、私は、かがやきのれん会を
単に広げれば良いとも考えていない。
しっかりと同じ方向性を見れるパートナーでなければ
成功しないと考えているからである。

また介護事業はほかの事業とは異なり、
社会的なインフラの側面が強い事業でもある。

ビジネスだけの視点ではなく、
ビジネス+αが無ければ、
介護ビジネスの成功は難しい。











2019年7月9日火曜日

自立支援型の介護について考える

介護保険制度での自立支援について、
様々な考え方が見られる。

ADLに特化したものから、
自己実現に目を向けたもの、
または、介護技術自体であったりと多岐にわたる。

かがやきでは、
WHOの健康定義をベースに自己実現に向けてサポートする事を自立支援と考えている。
単に心身機能向上を重視するとか、
自己実現の達成のみに目を向けて出来ない目標を立ててしまうとか、
そうした偏った方向性にならない為に、
介護保険法を鑑みたどり着いた私の結論。

これまで、福祉、医療と制度や分野が別々に分かれていたものが、
介護保険法の第1章第1条で
「国民の保健医療の向上及び福祉の増進を図る事を目的とする」
と記された事で、医療と福祉の両分野が出合い、
そして統合された。
しかし、まだ不完全な状態なのだろう。

自立支援という言葉の定義について色々と出現してしまう状態は、
こうした医療や福祉のそれぞれの出自の背景が影響し、
どちらかのカラーがまだ色濃く出てしまう事も遠因にあるのかもしれない。

私も介護保険分野での自立支援についての講演やグループワークを行うと、
この出自の影響を実感として感じる。



話はややそれるが、
意外とこの「健康」についての定義をしっかりと答えられない人も意外に多く、
当施設実習でやってくる、コメディカル(看護やリハ職など)実習も、
まともに答えられない事が少なくない。

日本WHO協会のHP(https://www.japan-who.or.jp/commodity/kenko.html)より、
健康についての定義を引用すると

Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.

健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます。(日本WHO協会訳)

と記されている。

肉体的、精神的という言葉までは出るが、
社会的という言葉はなかなか出てこない学生が多い。

こううした傾向も、まだ医学モデルの影響が色濃く残る教育体系の中の影響なのかもしれない。
こんな場面を見るだけでも、
それぞれの分野の特性を乗り越えて、
上手くミックスして考えるというのは今はまだ難しいのかもしれない。

だからこそ、今はまだ地道に活動するしかない。


2019年4月3日水曜日

新たなスタート!と社会復帰プロジェクト始動!

平成最後の月、
4月1日より、
会社の体制も大幅に変わりました。

新たに2つのデイサービスを傘下に加え、
4つの直営デイサービスと、
かがやきのれん会、
デイサービスカレッジ、
更に、デイサービス卒業生を対象とした、
リハビリ社会復帰プロジェット「どらポケ」と規模も少しづつですが拡大しています。


まずは、リハビリ社会復帰プロジェット「どらポケ」について・・・。

デイかがやきで行うリハビリプログラムの成果で、
毎年、介護保険サービスの卒業生を輩出しています。

そんな卒業生の中には、
まだ若く働ける卒業生の方もおり、
そうした方々の復職も施設の課題でした。

そこで、かがやきの卒業生Kさんとともに、
リハビリ社会復帰プロジェットをスタートし、
出来そうなことから始めようと色々と考えました。

この卒業生Kさんは、
脳卒中の後遺症で片手はもう動かないだろうと医師から宣告受けていましたが、
退院後に、かがやきのリハビリサービスを受け、
今では両手で自動車のタイヤ交換が出来る程に機能が改善しています。

卒業生Kさんは自動車整備士の資格を取得しており、
この資格を活かそうと、
かがやきの自動車部門として、
新車、中古車、タイヤ販売店「どらポケ」をスタートしました。

「どらポケ」宣伝広告活動と、
デイサービス送迎のスキル向上を目的に、
昨年からデイサービス職員を中心に、
かがやき自動車倶楽部」を設立し、
軽自動車の耐久レースにも参加を開始!!

かがやき卒業生Kさんも「どらポケ」店長も整備士の資格を活かし、
レースではチーフメカニックとして大活躍されています。

「どらポケ」の次の課題は、
単なる社会復帰プロジェクトから、
しっかり利益が出る事業へ育てる事。

まだまだ先は長いですが、
デイサービスの卒業生が、復職し、納税する。

そんなデイサービスが全国いくつあるでしょうか?



















LifeStyle Re Design

「ライフスタイル・リ・デザイン」とは、 介護が必要になる時は、 これまでとは違う生活様式がスタートするという事でもあり、 生活(LifeStyle)を見直す(Re Design)するわけだが、 ここで必要となる介護に対して、 ネガティブではなく、ポジティブに捉え事が大切で、 今出...