効率的な介護を目指すという話が出ているようだが、
まるでおとぎ話だ。
かがやきでは、かがやきシステムを開発し、
施設運営も事務作業も書類作成も転記が減った分、
記録の効率化が達成されているが、
ハイスペックなサーバーを用いて、
ハイスペックなタブレット端末を用いて、
ハイスペックな通信環境を整えてハード面を万全な状態にして
やっと現場の処遇スピードと同時進行の「記録入力レベル」で精いっぱいだ。
現在のかがやきシステムは、
現場の業務記録と請求業務をリンクさせると、
処理速が一気に低下し、現場の処遇速度に追いつけない。
また現場の入力ミスが過誤請求や不正請求につながるため
結局最後は人の目と作業のチェックが必要となる。
他社メーカーで、現場記録と請求業務を同時進行するソフトもあるが、
入力コマンド数や入力時間が現場の処遇スピードに全く追いついていない。
データ数が多くなればなる程、その傾向は大きくなる。
介護現場にICTを導入して効率化する前に、
本来やらなければいけないことが山ほどある。
それを抜きにしてICT導入で介護現場の効率化を謳う事は無理で、
まるでICTやデジタル技術を「魔法の杖」かなんかと勘違いしている。
先ず行わなければいけない事は、
①複雑になりすぎた介護報酬構造の簡略化、
②必要書類とその中の必要な情報量の精査と削減。
この2つを行わない限り、
いくら、ICTでデジタル化を叫んでも、
10年近く自社開発で試行錯誤を繰り返した経験上、
現状の構造では各事業所レベルで高額な投資をしない限り、
ICTで効率化は100%できないと断言できる。
なぜかというと、
システムを作るにしても、
初めの作業の要件定義のボリュームが多すぎて設計が複雑化し、
データも肥大化する。
その結果、当然システムの処理速が低下し、
現場の処遇スピードに追い付けない。
更に使い勝手の部分でも、
必要な入力コマンド数も増え、
それともない操作を覚える時間と能力、
さらには入力ミスも多くなる。
度重なる制度変更や、
新たなルールの追加名などで、
初めに決める要件定義が変わってしまい、
結果使い物にならないレベルの処理速度に低下してしまう。
処理速度上げる解決方法は、ハードの性能を上げる方法があるが、
コストが上がるため頻繁にハードを入れ替える事は出来ない。
頻繁なハードの入れ替えなど不可能である。
つまり、
ICTやデジタル化を叫ぶ前に、
制度の構造や枠組みの整理と文書の削減、
更にルールの共通化の徹底も必要で、
この議論なく、
ICTやデジタル技術で介護現場の効率化を謳う旗振り役の
超お気楽な「考え方」と「行動」を変えない限り、
ICT、デジタル化によるストレスのない介護現場の効率化は無理である。
もちろん、共通化の正反対の指導・監査のローカルルールなんて論外である。